レポート

XRでつくる地域と人材の未来 静岡県XR寄附講座 第2回公開講座を開催 — Metaverse Japanが共催

XRでつくる地域と人材の未来

静岡県XR寄附講座 第2回公開講座を開催 — Metaverse Japanが共催

2026年3月2日、静岡理工科大学グループ静岡駅前キャンパスにて、静岡県XR(クロスリアリティ)寄附講座2025 第2回公開講座「XRでつくる地域と人材の未来 ~社会実装から教育・クリエイター育成まで~」が開催されました。本講座は、XRの社会実装とデジタル人材育成をテーマに、企業・自治体・教育関係者が登壇し、地域とテクノロジーをつなぐ実践事例を紹介する公開講座です。静岡県XR寄附講座の一環として実施され、Metaverse Japan(MVJ)も共催として参画。当日は学生、教育関係者、企業関係者など148名が参加しました。

Metaverse JapanのReboot – Japan Spatial Forumとして社会実装フェーズへ

イントロダクションでは、MVJ代表理事の長田新子と馬渕邦美が登壇し、Metaverse Japan設立の背景と、現在進めている組織の再定義(Reboot)について紹介しました。Metaverse Japanは、産業界・研究機関・行政・クリエイティブ領域を横断する共創プラットフォームとして、これまでメタバースに関する認知拡大やコミュニティ形成を推進してきました。現在、AIと空間技術の融合が進む中で、同団体は組織の役割を「Japan Spatial Forum」へと再定義。メタバースやWeb3の議論にとどまらず、Spatial Computing、AI、Roboticsなどを含む領域へ活動を拡張し、AIと空間テクノロジーの社会実装を推進する共創基盤としての役割を強化しています。

今回の公開講座も、地域・産業・教育を横断しながらXRの社会実装と人材育成を議論する場として企画されました。

第1部「ARは地域課題にどう使われているのか」

第1部では、長田新子、馬渕邦美、渡邊信彦氏(株式会社STYLY COO)、杉本直也氏(静岡県企画部デジタル戦略課参事)が登壇し、「ARは地域課題にどう使われているのか」をテーマにトークセッションが行われました。

XR技術が都市、観光、防災などの分野でどのように活用され、地域社会に新しい価値を生み出しているのかについて、企業と自治体それぞれの視点から事例が紹介されました。

渡邊氏は、空間レイヤープラットフォーム「STYLY」の取り組みを紹介しながら、XRは単なる映像体験ではなく、「空間を身にまとう」新しい身体的体験を生み出すメディアであると説明しました。XRは現実空間とデジタル情報を重ね合わせることで、都市や文化、建築と結びついた新しい体験を創出します。こうした空間表現は観光や都市体験、アートなどの分野において地域の魅力を拡張する手段として期待されています。

杉本氏は、静岡県が進めるデジタル施策の一例として、XRを活用した取り組みや「バーチャル静岡」プロジェクトを紹介しました。バーチャル空間を活用した観光プロモーションや地域体験の拡張など、XRを通じて地域との新たな接点を生み出す取り組みが進められています。自治体がXRを活用するためには、企業やクリエイターとの連携が不可欠であり、地域とテクノロジーをつなぐエコシステム形成の重要性が語られました。

セッション後半では登壇者によるクロストークが行われ、XRが都市、文化、教育、行政を横断する新たな社会基盤として広がりつつあることが共有されました。また、地域課題の解決と人材育成を同時に進めていく重要性についても議論が交わされました。

第2部「Robloxから広がる学びとクリエイターの可能性」

第2部では、光田刃氏(トランスコスモス株式会社)、脇田真太郎氏(エデュケーショナル・デザイン株式会社)によるプレゼンテーションが行われ、XR時代の教育とクリエイター育成について紹介されました。

光田氏は、UGC型プラットフォームであるRobloxの世界的な広がりを紹介し、ユーザー自身がコンテンツを制作し世界へ発信できる新しいクリエイターエコノミーの可能性について解説しました。ゲームプラットフォームであると同時に、若い世代が創作活動を通じてデジタルスキルを身につける場としてのRobloxの役割が紹されました。

続いて脇田氏は、Robloxを教育環境として活用する取り組みを紹介。ゲーム制作や3D空間制作を通じて、プログラミングやデザイン、チーム制作といったスキルを実践的に学ぶことができる教育プログラムについて説明しました。XRやUGCプラットフォームは、単なる技術教育ではなく、創造力や協働力を育てる新しい学習環境として注目されています。

プレゼンテーション後には長田新子も加わったクロストークが行われ、XRやUGCプラットフォームが次世代の人材育成やキャリア形成にどのようにつながるのかについて議論が交わされました。

XRの社会実装と人材育成をつなぐ場として

今回の公開講座には学生、教育関係者、企業関係者など148名が参加し、XRの社会実装やクリエイター育成への高い関心が示されました。イベント後に実施された参加者アンケート(回答数106件)では、「満足」40.6%、「非常に満足」32.1%と、約7割以上が高い満足度を示す結果となりました。XRの地域活用や教育への応用など、実践的なテーマへの関心の高さがうかがえます。

 

Metaverse Japanは、産業・行政・教育・クリエイターをつなぐ共創プラットフォームとして活動しており、今回のように地域課題、テクノロジー、教育、人材育成を横断した議論の場を構築できることが大きな特徴です。

 

今後もJapan Spatial Forumとして、AIと空間テクノロジーの社会実装を推進するとともに、地域と産業、人材をつなぐ取り組みを展開していきます。

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