Metaverse Japan LABが提案する「5つの柱」を熱く議論!『Metaverse Japan LAB シンポジウム 2023』開催。当日の内容をダイジェストでご紹介します。

5月29日に『Metaverse Japan LAB シンポジウム 2023』が渋谷スクランブルスクエア内のSHIBUYA QWSで開催しました。
世界初のメタバースシンクタンクMetaverse Japan LABが「5つの柱」として提案する重要テーマ「産業基盤強化」「人材育成」「メタバース特区」「ルール形成・国際標準化」「ダイバーシティ&インクルージョン」について、業界を牽引するトップランナーが熱い議論を交わし、会場観覧とオンライン合わせて延べ1,800名の方にご参加いただきました。当日の各セッションの内容をダイジェストでご紹介します。

「前のめり」を批判されるのはよい傾向

オープニングセッションでは、『多様性が尊重され、個人とコミュニティが自由に活躍する世界を!─メタバース産業立国に向けた政策提言5つの柱─』と題して、代表理事の長田新子と馬渕邦美、衆議院議員の平将明氏が登壇。
平氏は、「生成AIの登場で『メタバースやWeb3は終わった』といわれることがあるが、パラレルで相互に作用しながら加速していくはず」と強調します。
「政治家ができることは、規制のデザインと税のデザイン、そして国際的なルールでどんな役割が果たせるのかについて」と話す平氏。AIの規制を前提としたEUの方向性に対して、自民党デジタル社会推進本部が公開したホワイトペーパーは、活用する前提でリスクを洗い出し、それをどうコントロールするかを考えている点が異なるといいます。
「海外のテックジャイアントが、ホワイトペーパーの英語版を読み込んだ上で私たちに提案を持ってくるようになりました。これは今までになかったことです。新聞などで取り組みが前のめりだといわれることがありますが、後手後手だと批判されることはあっても、拙速だといわれることなどなかったので、よい傾向だと思っています」(平氏)
また、東京大学の稲見昌彦氏がビデオメッセージを寄せ、「今話題の生成AIとメタバースが融合すれば、ドラえもんの『もしもボックス』のようなユーザー体験が実現するかもしれない。Metaverse Japan LABとして、これらの技術を社会的な価値に結びつける取り組みをしていきたい」と語りました。

日本のメタバースの「勝ち筋」はどこにある?
最初のセッション『Generative AIの現在と未来』には、東京大学の松尾豊氏がビデオで登壇し、昨年から話題を集める画像生成AIやChatGPTなどの文章生成AIによって、人間の仕事がどのような影響を受けるのか、そのなかで日本はどのような戦略をとるべきなのかについて話しました。

続いての『メタバース産業立国に向けたステップ』には、H2Lの玉城絵美氏、東京大学の豊田啓介氏、JICベンチャーグロース・インベストメンツの小宮昌人氏、三豊市教育センター長の小玉祥平氏が登壇。メタバースがバズワードから社会実装の段階へと移行するなかで、日本の勝ち筋はどこにあるのか、MVJとしてどのようなネクストステップが必要なのかといったトピックについて語り合いました。

『産業基盤強化について』では、カーネギーメロン大学の金出武雄氏と、東京大学の豊田啓介氏、Symmetry Dimensionsの沼倉正吾氏が、メタバースの産業基盤を作っていくためには何が必要か、アカデミアから産業へと展開していくにあたり、どのように資金を確保していくのかといったテーマで議論しました。

人材育成やダイバーシティについても議論

『人材育成について』には、東京大学の稲見昌彦氏、KDDIの中馬和彦氏、HIKKYのさわえみか氏、文部科学省の根津純也氏が登壇。大企業、スタートアップ、大学、行政それぞれの立場で、メタバースやAIが当たり前になっていく時代に、どのように人材を育てるのか、どんなリスキリングが求められているのかについて意見を交わしました。

続いての『ルール形成・国際標準化について』では、東京大学の江崎浩氏、H2Lの玉城絵美氏、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の河合健氏が、MVJの政策提言ホワイトペーパーを軸に、メタバースの安全性を守りながら国際標準化を進めるために必要なことについて議論しました。

さらに、Metaverse Standards ForumのNeil Trevett氏がビデオメッセージで登壇し、メタバースの相互運用性を担保していくことの重要性や、業界団体が連携していくことの意義について語りました。
『ダイバーシティ&インクルージョンについて』のセションには、一般社団法人たまにの佐竹麗氏、慶應義塾大学の宮田裕章氏、東京大学大学院の小塩篤史氏、一般社団法人プレプラの水瀬ゆず氏が登壇。不登校支援や高齢者のケアにおけるメタバース活用事例の紹介や、今後取り組みを広げていくために必要なサポートについての議論を行いました。

さらに、特別講演として、カナダ・ブリティッシュコロンビア州政府 雇用経済開発イノベーション省大臣のブレンダ・ベイリー氏が登壇。同州の企業支援やテクノロジー教育の取り組みについて紹介し、「世界を変えるビジネスに取り組む皆さんに、ぜひブリティッシュコロンビア州を選んでもらいたい」と参加者に呼びかけました。

クロージングセッションでは、代表理事の馬淵が「いろんな立場の人が集まってメタバースについて議論する機会はなかなかない。その意味でもこのシンポジウムの役割は大きい」とこのイベントの意義を再確認。さらに、『Metaverse Japan Summit 2023』の7月開催も発表されました。
イベント終了後のパーティーでは、参加者同士が情報交換を行ったり、気になった登壇者と名刺交換したりして、メタバース取り組みに欠かせない共創の輪を広げていました。

各セッションの詳細なレポートは今後順次公開していきます。

また、Metaverse Japanでは、7月13日(木)に大規模カンファレンスイベント「Metaverse Japan Summit 2023」を開催します。
詳細と参加申込みはこちらをご覧ください。
https://mvjsummit.com/mvjs202307/

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