成長中のゲームメタバースとは?

このセッションではこの2、3年で大きな注目を集めるようになったゲーム領域におけるメタバースについて、実際に制作を行っているクリエイターが語りました。

角田 拓志 氏:株式会社モンドリアン 代表取締役社長(左)
ゆざヌ 氏:ロブロクシアン(画面中央)
かつ丼 氏:株式会社モンドリアン フォートナイトクリエイター(画面右)


まず、ゲームメタバースのプラットフォームとして注目されるROBLOXの現状について、角田氏は次のように話します。

「ROBLOXは未就学児や小学生に非常に人気です。世界的には2.26億人のユーザーがいて、今までは”日本だけで流行っていなかった”という表現が合っているでしょう。ただ、昨年下半期には日本ユーザーの伸びが1300%と一気にユーザーを増やしています。さらに、日本のYouTuberもROBLOXをプレイする方が増え、最大で780万回再生を記録しています。これからまだまだ伸びるプラットフォームですね」

また、ゲームメタバースが注目されるようになった理由として、「今年行われた変革が挙げられる」と角田氏は続けます。

「Fortniteは今年の3月に非常に大きいアップデートがあり、これまで課題となっていた集客やマネタイズの問題が解決されてきました。Fortniteの個人クリエイターの中には、月あたり1億5000万円以上稼いでいるユーザーもいるようです。今までゲームメタバースはビジネスとは少し離れているイメージがあったためあまり注目されていませんでしたが、これらの変革によって2023年現在のメタバースの中でも最もユーザーの多いジャンルとなっています」

ゲームメタバースの魅力はどこにある?


そんなゲームメタバースの面白さはどこにあるのでしょうか? ゆざヌ氏は、ROBLOXの魅力についてこう話します。

「自分のキャラクターを作って着飾ったりできるのですが、ほかのプラットフォームと比べてまるでレゴの人形のようなチープな感じなんですね。この不完全さがだんだんかわいくなってきて、どっぷりハマってしまうのが面白いポイントだと思います」

ゆざヌ 氏(画面)


続けてかつ丼氏は、Fortniteの魅力について語ります。

「友達や知らない人とマッチングして、感動を分かち合えるところだと思っています。Fortniteではガンゲームなどが人気ですが、やはり『人と一緒に遊ぶのが楽しい』という感情がゲームをする一因になっていると感じますね。一人用のゲームもいいですが、みんなで遊べるゲームを作ろうと思っています」

さらに、これから作りたいゲームについてクリエイターの2人は「思いついたものをどんどん形にしていきたい」と話します。

かつ丼 氏(画面)


「ROBLOXはかなり簡単にゲームを世界に公開できるところも面白い特徴なんですね。この簡単さを利用して、日常のちょっとした出来事をバーチャル空間にどんどん再現する活動をしていきたいと考えています」(ゆざヌ氏)

「ふとした思いつきをすぐ形にできるところはやはり魅力ですね。売れるゲームと個人的に作りたいゲームが全然違うのはよくあることなので、折り合いをつけながら作っていきたいです」(かつ丼氏)

ゲームメタバースのビジネス展開


セッションでは、ビジネス面でどうゲームメタバースを活用していくかについても語られました。クリエイターの2人はそれぞれ企業から依頼を受けた経験を話します。

「企業の担当者の方がROBLOXに詳しい人を探していたらしく、知り合い経由で”ここにこういうものを作ってください”という依頼を受けたことがあります。」(ゆざヌ氏)

「Twitterで企業の方がFortniteのクリエイターを募集していたので、DMを送って依頼を受けました」(かつ丼氏)

最後に、角田氏は注目のゲームメタバースのビジネス展開について、現状の見解を次のように話しました。

「Twitterを見るとわかりますが、Fortniteのクリエイターの求人を出している企業が増えてきています。元メタップスの佐藤航陽さんは、Fortniteクリエイターの起業支援として『1件あたり最大1億円を投資する』というメッセージを出していました。情報感度の高い人たちは、どんどんクリエイターに声をかけ始めています」

 

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