JAPAN Metaverse Awards 2024表彰式を開催! 見事最優秀賞に輝いたのは……
Metaverse Japanとして初の「JAPAN Metaverse Awards 2024」の表彰式が、2024年9月25日のMetaverse Japan Summitのなかで開催されました。
このアワードは、スタートアップや新規事業、ハッカソンのために開発したプロダクトを対象とした「Metavese Japan Hackathon」と、メタバースの領域での革新的なチャレンジや新たな社会実装や開発、事業化を推進する個人やプロジェクトを称える「Metaverse Japan大賞」で構成されています。
最優秀賞は都市XRを実現するサービスが受賞
ハッカソンでは、もっとも優れた作品に贈られる「最優秀賞」および、スポンサーの大日本印刷による「DNP賞」の2作品が発表されました。
最優秀賞に輝いたのは、実際の都市空間でデジタルコンテンツを展示・販売できる「Project[Bazariba]」です。作品を販売したいクリエイターがWebプラットフォーム上に作品を登録し、場所を活用したい事業者などがそこから場所や目的に合う作品を選んで利用するしくみで両者をつないでいる点が特徴のサービスです。利用者がその場所でスマホをかざすと作品や商品が表示され、観賞したり購入したりできます。
技術性や実現性、社会性を兼ね備えていることに加え、これまでに実現された3つの事例がそれぞれの地域性をきちんと反映したものになっていた点が高く評価されました。
審査員長 金出武雄 氏(左)、受賞者 クラフトノーツ Fujito 氏(右)
DNP賞には、VRアクションゲーム「Grabity Dungeon」が選ばれました。ペアで行動する2人のプレイヤーに逆方向の重力がかかり、お互いが手をつないで協力しあいながら移動して宝探しをします。日頃あまり意識されない“重力”に着目したユニークなアイデアや、メタバース空間でしかできないことを実現した独創性が評価されました。
大日本印刷株式会社 宮川 尚 氏(左)、受賞者 熊本県立大学・IwakenLab 川本夏生 氏(右)
最優秀賞には100万円、DNP賞には30万円の賞金が贈られたことに加えて、特別特典として10月に開催される大規模展示会「メタバース総合展」でのブース展示の権利も贈呈されました。
新たな取り組みに贈られる「Metaverse Japan大賞」も発表
続いて発表されたMetaverse Japan大賞は、4部門に加えて審査員特別賞が選定されました。
まず、ソーシャルイノベーション賞には、株式会社HIKKYの「VketReal」が選ばれました。メタバース空間で開催されている大規模イベントの「Vket」をリアルな街でも開催したもので、メタバースで生まれたコンテンツを実空間に持ち出し、日本最大級イベントとして成功をおさめた点が選定の理由です。
審査員 絢斗 優 氏(左)、受賞者 株式会社HIKKY 舟越 靖 氏(右)
実空間メタバース賞に選ばれたのは、森ビル株式会社とKDDI株式会社による「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECTYOU,au」です。これは、虎ノ門ヒルズに常設されたデジタルツインホールのプロジェクト。リアルなイベントホールとメタバース空間で同じ体験を共有し、新たな都市体験を創造する取り組みです。実空間にメタバースを実装する挑戦を、ワクワク感とともに届けるチャレンジが高評価につながりました。
審査員 松島倫明 氏(左)、(右)受賞者 森ビル株式会社 田中 巌 氏(右)
クリエイティブデザイン賞には、株式会社STYLYによるXRの都市型展覧会「AUGMENTED SITUATION D」が選ばれました。幅広い年齢のさまざまな背景をもった人が集まり、クリエイティブにおいて大切な多様性を実現できた点が評価されました。
審査員 小塩篤史 氏(左)、受賞者 株式会社STYLY ゴッドスコーピオン 氏(右)
技術革新賞は、AIR RACE X実行委員会の「AIR RACE X」が受賞。バーチャル空間とリアル空間をダイナミックにつなぐ試みや、技術的に高度でありながらエンターテインメントとしても見応えのあるイベントとして世の中にインパクトを与えたことが選定の鍵となりました。
審査員 三宅陽一郎 氏(左)、受賞者 AIR RACE X実行委員会 冨田来知 氏(右)
そして審査委員長賞には、株式会社USEYAの「USEYA ADVANCED INDUSTRY」が選ばれました。3Dプリンターや3Dスキャナ、レーザー加工機といった最先端の機器をシェアしたり、遠隔利用したりできるユニークなデジタル工房です。「1980年代のアメリカには半導体をシェアする取り組みがあった。それと同じようなことを工業生産において実現した点がすばらしい。日本のものづくりに非常に貢献する活動となる」と、審査委員長の金出氏は選定の理由を語ります。
審査員長 金出武雄 氏(左)、受賞者 株式会社USEYA 大子 修 氏(右)
メタバースジャパン特別賞4作品も発表
そして、「メタバースジャパン特別賞」として4作品も発表されました。
大日本印刷株式会社の「3Dメタバースで学びの場を提供 メタバース空間を利用したラーニングシステム」は、不登校児向けにブラウザベースの3Dメタバースで空間を提供。不登校の生徒・児童と相性がよいエモート機能を使ったノンバーバルのコミュニケーションなどを活用しながら居場所づくりを実施し、東京都30団体と渋谷区で導入されています。
Metaverse Japan理事 杉山知之 氏(左)、受賞者 大日本印刷株式会社 正田咲夏 氏(右)
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株式会社マクニカの「デジタルツインを活用したAIモデル向けの合成データ生成とAIモデルシミュレーション」は、NVIDIAのデジタルツイン構築ツールを活用して実工場をデジタル上に再現。そのなかでロボットのシミュレーションやAIのモデルを学習させるためのデータの作成といった取り組みを実施するものです。
Metaverse Japan理事 杉山知之 氏(左)、受賞者 株式会社マクニカ 野本裕輔 氏(右)
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TOPPAN株式会社の「メタバースショッピングモール『メタパ』」は、メタバース内で商品を展示・販売するプラットフォーム。商品を実物大のARとして実空間に持ち出せる機能を備えていることや、スマホやPCで簡単にアクセスできることに加え、Vision Proにも対応している革新性などが特徴のサービスです。
Metaverse Japan理事 杉山知之 氏(左)、受賞者 TOPPAN株式会社 名塚一郎 氏(右)
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株式会社STYLYの「STYLY for Vision Pro」は、クリエイター向けプラットフォームとして多くのユーザーをもつ同社が、いち早く提供をスタートしたVision Pro向けのコンテンツ制作ツールです。
Metaverse Japan理事 杉山知之 氏(左)、受賞者 株式会社STYLY 畔柳 亮 氏(右)
杉山知之氏、表彰コメント生成AI映像はこちら
メタバースジャパン特別賞には、Metaverse Japan理事の杉山 知之 氏からの生成AIを活用した動画コメントも贈られました。
今回のJapan Metaverse Awardsは今年6月から3ヶ月間にわたり公募を行い、合計142件ものエントリーがありました。Metaverse Japan 代表理事の馬渕邦美氏は審査について、「力の入ったプロジェクトがたくさん集まったので審査は本当に難航した。そのなかでもこのプロジェクトを世の中に出していきたい、応援していきたいと思えるものを選んだ」と話し、今後に期待を寄せました。