デジタル活動支援ソリューション
中高生のデジタル関連活動を支援するために設立された一般社団法人デジタル人材共創連盟(デジ連)。「教育現場への情報や人材の不足」「学びや活動の場の不足」「意欲を高める発表の場の不足」という3つの課題の解決を目指しています。
デジ連の野崎氏は、同団体の活動について次のように語ります。
「まず挙げられるのが講師の派遣・研修です。指導者のスキルアップを目的として自治体や学校のニーズをくみ取り、最適な講師や企業とのマッチングを行います。情報I・IIの各単元をはじめ、AIと今後の社会について、大学で行われる情報教育などのテーマで研修を行うことが可能です」
このほかに、教員研修用コンテンツも作っており、情報科目に限らず、音楽・美術・数学・総合など学校全体の学習をデジタル化することをめざしています。
さらに、主に中高生が応募可能なデジタルコンテスト情報の収集・集約も行います。デジ連Webサイトには、ログラミング・ロボット・AI・デジタルアート・ゲームなど150件以上の大会が掲載されています。
また、中高生へのワークショップも開催しており、これまでアントレプレナー教育プログラムや元任天堂アートディレクター今村孝矢氏の特別講義なども実施したとのことです。
デジタル学園祭&未来創造コンテスト
デジ連では現在、企業や団体と連携しながら「デジタル学園祭&未来創造コンテスト」の企画を進めています。
これは名前のとおり、学園祭のようなイベントをデジタルを使って実施するもので、23年度と24年度に「未来想像コンテスト」として2回の開催を経て、2025年の大阪・関西万博では国際大会としての開催をめざします。
野崎氏は大会のコンセプトについて以下のように説明します。
「この大会では、『全ての学生に、場の提供を』というコンセプトを掲げています。スキルを競い合うコンテストだけでなく、デジタルに興味を持つすべての学生が何らかの形で参加できるプログラムを準備し、さらにPCが苦手な学生も楽しめるようにしたいと考えています」
さらに、万博が終了した2026年度以降も中高生を対象としたイベントとして継続開催していくことを考えているとのことです。
デジタル活動コミュニティの創出
デジ連では、デジタル学園祭のほか、先輩と後輩が教え合える「バーチャル部室」「オンライン部活」など、環境さえあればどこからでも参加できる場をつくっていきたいといいます。
「とても大きな取り組みなので、大阪だけでは進められません。デジ連は全国組織なので、ぜひ全国の皆さんと協力しながら進めていけたらと思います」(野崎氏)
山口氏は、「単なるデジタルイベントではなく、バーチャル空間メタバースでの取り組みにこだわる理由」を野崎氏に問いかけます。
「全国どこからでも同じ条件で1つのイベント参加できるのは、メタバースにしかできないことです。なりたい自分の姿で参加できるのもいいところだと思っているので、着たい服をして、好きな髪型で自己表現できる場を作っていきたいと考えています」(野崎氏)
最後に野崎氏は、デジ連の取り組みについての思いをこう語りました。
「万博というビッグイベントに向けたワクワク感を共有しながら、大阪に閉じることなく日本一丸となって進めていけたらと思います」